動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう) PDA

動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)PDAとは?

犬で最も一般的な先天性心疾患(生まれながらの心臓病)の一つです(猫では稀)。動脈管は胎子の血液循環において重要な役割をはたしている血管です。肺で呼吸し、自力で全身に酸素を送るとき、この動脈管が開いたままだと不都合を生じるため、出生後すぐに閉鎖されます。しかし、動脈管開存症(以降PDAと略します)の犬では出生後も開いたままの状態となるため、異常な循環状態となってしまい、さまざまな障害が起こってきます。

また、PDAの疫学的特徴としては以下のようなことが分かっています。

PDAの発生率が多い犬種

  • ジャーマンシェパード、ボーダー・コリー、プードル、コッカー・スパニエル   etc...

雌の方が多い(雄の約2倍の確率)
※先天性心疾患の有病率は全体の1%未満(1000頭中8頭)とされている。

飼い主さんが気付く異変(臨床症状)

動脈管の太さによって、まったく症状がないものから、重度の心不全からくる、咳、呼吸の異常、元気がないなどさまざまです。そのため、ワクチン接種や他の病気で来院されたときに偶然発見されることが多いようです。

診断と治療法

心臓の聴診、X線検査、超音波検査(他にも心血管造影検査、心電図)によって動脈管が存在することを確認し、PDAと診断します。PDAでは1年以内に矯正手術をしなければ、約50%は死亡するといわれています。

また、現在は症状がみられなくても将来的には細菌性心内膜炎になりやすいため、PDAだと確定診断がつき次第、外科的治療法の適応となります(ただし、肺高血圧症や複合心奇形がみられる場合はのぞく)。

手術方法は開胸法によって直接、動脈管を糸で縛って閉鎖します。

手術後6~8週間以上生存することが出来た場合、他の犬と同様に生活ができ、寿命を全うすることができます
PDAは先天性心疾患の中で、手術による死亡、手術後の合併症が少なく治療効果が期待できるのが特徴です。
症状が進行した場合、手術時期を逃してしまう場合もありますので、診断がつき次第、積極的に治療することをお勧めします。