骨癒合不全①

1 歳3 ヶ月、雌、ポメラニアン

2 ヶ月前に抱っこしていた時、飛び降りて両方の前足を骨折してしまいました。2ヶ月間、他の動物病院でギプス固定にて治療していましたが良くならず、左前足は着地することができない状態で来院されました。右前足はかろうじて着地できる状態でした。

症例

このレントゲン写真は両足を正面から撮ったものです。
両方とも骨折しており、骨はくっついていませんでした。
(赤丸で囲ってある部分が骨折しているところです)

上のレントゲン写真は右前足および左前足を横からとったものです。
赤丸で囲ってある部分が骨折しているところです。右足は仮骨が形成され少しくっつきかけているようでしたが、骨がくっついたときの角度がまずい方向になっており、このままでは歩行にあたって体重を支えることができないため、正常な歩行が困難であることが判明しました。

最初に、左足の手術をしました。
上のレントゲン写真は手術後のものです。
外科的に皮膚を切開し、筋肉や神経を傷つけないように骨へアプローチした後、左にあるような医療用の金属プレートとスクリューを用いて骨折部分の補強を行いました。(レントゲン写真の赤丸で囲んだ部分に金属プレートが使われています)

解剖学的に正しい位置での骨折の整復をし、さらに自家海綿骨移植およびFGF-2(塩基性線維芽細胞成長因子)を用いました。FGF-2は遺伝子組み換え技術により生成されたリコンビナント製剤で、骨折の治癒を促進させる効果があることが分かっています。

上のレントゲン写真は同様に、金属プレートとスクリューを用いて手術を実施した後のものです。
今回も骨折の修復を促進するために、自家海綿骨移植およびFGF-2を用いました。
骨折したところの周辺にもやもやした白い影(ちょっとわかりにくいかもしれませんが)があるのが、自家海綿骨を移植した跡です。

骨癒合不全

次の記事

骨癒合不全②