腸重積①
13 歳5 ヶ月齢、シーズー
元気食欲の消失、慢性的な嘔吐を主訴に来院されました。

来院時はかなり削痩していました。
血液検査では腎機能障害、白血球の増加および、CRP(炎症の強度を示す血液検査)の高度上昇が確認されました。
またかなりの低蛋白血症をおこしていました。


赤の破線で示した部位に、異常なガス貯留が確認されました。 腹部触診での、腫瘤はレントゲン上では確認できませんでした。


上の写真は腹部のエコー検査の結果です。
左の写真は腸管を輪切りにした状態、右の写真は腸管を縦に切ったときの写真です。腸管の中に腸管が入っているのが確認されました。(※一般の方には分かりづらいかもしれません)


これらの所見より、腸重積と診断し、全身状態の改善とともに手術を実行しました。
この写真は開腹手術をし、腸管を体外に露出した状態です。 青の破線で囲まれた部分が腸重積の病変部です。太い腸管の中に細い腸管が食い込んでいるのがわかります。
また、太くなっている腸管の色がどす黒くなっていることに注意してみてください。


病変部分と、色がどす黒く変色した腸管を含めて切除しました。
この写真は切除したのち、正常な腸管の端と端を縫合したときの写真です。


腸管を縫合したのち、大網とよばれるおなかの中にある膜で、縫合部位を包みます。
こうすることにより、血液の供給が増えて修復を促進し、腸管内容物の漏出を予防できます。


この写真は摘出した腸管です。
青の破線で囲んだ部分が最初の写真での腸管の重積部分です。どす黒くなっている部分が長期間の腸重積により、壊死を起こしかけています。
このままおなかの中で放置されると、腸が破れて、腸管の内容物がおなかの中に漏れてしまい、腹膜炎へと進行する可能性がありました。
もし、そうなってしまうと、腹膜炎を起こし、命の危険性も出てきてしまいます。